2、6、10月の初旬に発売している『デザインのひきだし』。早くも創刊から14年がたち、今月『デザインのひきだし42』を刊行します。多大なるご協力いただいているみなさま、そしてずっと本誌を買ってくださる読者のみなさま、本当にありがとうございます!
今月8日前後に書店店頭に並び始めると思いますが、それに先立って、内容を少しご紹介したいと思います。
特集は「ハンドプリントで! プロに頼んで! 紙もの&刷りものグッズづくりのA to Z」と題し、こだわった紙もの・刷りものグッズをつくりたい方に、自作する方法とプロに頼んでつくる方法の両面からアプローチしています。
ちなみに上画像の左側は、本誌に挟み込んでいる実物付録。プロに頼んでつくれる魅惑のグッズの中から17種類が入っています。こちらについては下で改めてご紹介しますね。

特集冒頭では、プロに頼んでつくられたグッズ&ハンドプリントしたグッズの両方から、編集部がすごい!と思ったグッズを紹介しています。こんなグッズいいなぁとか、これもハンドプリントしてるのか、とか、グッズをつくるときに大いに参考になると思います。
前半では、スクリーン印刷やレタープレス、パッド印刷、カッティングプロッタなどなど、魅惑のグッズを自分で刷ったり、型抜きしてつくる方法を、手順を細かく写真で追ってご紹介しています。


上の写真で「え? 刺繍!?」って思った方もいますよね苦笑 そう、刺繍です。IllustratorやPhotoshopのデータから、家庭用刺繍ミシンを使って刺繍できることなんかも紹介しています。刺繍もプリンタの一種です!笑
後半では、やはり餅は餅屋。ということで、プロに頼んでこそできる魅惑のグッズを51種類紹介しています。もちろん、コストや最低ロット、経済ロット、納期や注意点などもすべて網羅していますよ。
このプロに頼んでこそつくれるグッズは、ネット検索しても出てこないような、でも本当につくってみたいグッズばかりなので、ぜひ本誌でチェックしてもらいたいと思います。
この中から17種類、実物サンプルが付録しています。それがこちら。

すみません。ちょっとうちの猫が入り込んでしまいました。
これが冒頭の写真のようにOPP袋に入って、本誌に挟み込まれているので、今回もちょっと角煮まんみたいな形状になっています。一番厚いところで45mmくらい。
上写真の水色のダンベルみたいな形のものは、私が愛してやまないパルプモールドボックスです。今までは金型からオーダーする必要があって、そうなると少なくとも何千個かつくらないと単価がやばいことになっていましたが、今回ご紹介しているパルプモールドは、制作会社が持っている金型を使用してつくってもらうことができるため、色やエンボスなどはオリジナルで入れつつ、比較的少ない数からつくれるといううれしいグッズなのです。
写真ではダンベルみたいに見えるけど、これは二つ折りにするとシェル型ボックスになるすてきパルプモールドなのです。
あとは、表紙と同じ「スクリーンホイル」という加工も使える「静電ウォールステッカー」(パルプモールドの左隣)は、粘着剤で貼るシールではなく、静電気を利用して壁などに貼るので、貼って剥がすことができて、でもしっかり貼っておけるすぐれもの。写真では白く見えるけど、これは台紙の色で、実際には透明シールなので、窓や、今多用されているアクリル板などに貼ると、向こうは見えつつ美しくなるというグッズにも最適です。
窓に貼ってみたところ。
他に「ほわほわシール」や「箔押しマスキングシール」など、かわいいもの好きならキュンとしてしまうこと請け合いのシールグッズや(ほわほわ具合や箔押しがわかるように、ちょっと暗い写真になってます)、


すきな形やデボス模様をエッチングで表現できる「エッチングクリップス」。これもつくれるなんてうれしい!

それから、人気のご朱印帳やご朱印帳のように蛇腹式でつくれるSOWA LABOの「蛇腹ノート」。本文用紙に印刷はもちろん、抜き加工やミシン目なんかも入れられるんです。
でも本当にすごいところはそこだけではありません。今回の蛇腹ノートは「3メートル」あるんですが、そのどこにも「つなぎ」がないのです! 一般的には四六判などの全紙を何枚かつないで3メートルの蛇腹をつくりますが、SOWA LABOは最大3000メートルまでならつなぎなしでつくれてしまうんです。これには本誌編集部も驚きました!
ほかにもまだまだたくさんあるのですが、それらはまた明日以降にご紹介したいと思います。
そうだ、表紙のことを書き忘れていました。今回、グッズ特集なので、表紙もなにかグッズにしたいな……というところから、表紙が全面シールになっています。
え、いやいや。箔押しした透明フィルムの表紙でしょ? って思われると思うんですが、表紙左下をみてください。

「ペラっとめくれる!」って書いてあるでしょう? その通り、表紙を剥がしてもらうと、全体がシールになっているんです。

表紙のシールを剥がすと、剥離紙というか剥離フィルムが残るので、のっぺらぼうの表紙になります。背も中がみえっぱなし!
いやぁ、これ、いろいろとハードルが高くて、実現できないんじゃないかとも思ったんですが、表紙の印刷加工(スクリーンホイルという一九堂印刷所の加工です!)をしてくれた一九堂印刷所と、本誌の印刷・製本をしてくれている図書印刷の多大なる協力のおかげで、なんとか形になったのです。
そのあたりは、本誌に「表紙日記」として少し書きましたので、ぜひご覧ください。
「ハンドプリントで! プロに頼んで! 紙もの&刷りものグッズづくりのA to Z」特集の『デザインのひきだし42』は、今月8日前後から書店店頭に並ぶ予定です。どうぞよろしくお願い致します。
明日以降、また連載などもご紹介しますー。