内容も和紙、本誌自体も和紙でできた『
デザインのひきだし29』。早い書店さんだと明日くらいから並び始めそうです。嵩高な和紙ならではの軽さですので、ぜひ現物を持ってみてください。
今日は和紙特集の内容をちょっとご紹介したいと思います。和紙と一口に言ってもさまざまな種類がありますが、本誌では手漉き和紙、機械抄き和紙の両方を紹介しています。印刷加工をするという前提でのご紹介が多いので、機械抄き和紙に重点を置いていますが。
手漉き和紙の記事としては、人間国宝の岩野市兵衛さんの工房(福井県・越前)を訪ねたり、
見るだけでうっとり、すぐに欲しくなってしまう和紙作品を多く作り出している、若手の和紙作家・森田千晶さんのインタビューがあったり(なんと、原料である楮を育てるところから!)
手漉き和紙はあまり印刷加工できないイメージを持っていましたが、いえいえそんなことはないんです。オフセット印刷でこんなにも色鮮やかに手漉き和紙に刷ることもできるんです! 写真の左ページ(黄色い花の絵)が手漉き和紙にオフセット印刷した実物サンプル綴じ込みです。
本文ページは機械抄き和紙なので、この綴じ込みの手漉き和紙とさわり比べてみると、風合いの差もわかって興味深いです。
機械抄き和紙については、いろいろな記事を載せていますが、ひとつだけピックアップ!
みなさん、世界一薄い紙ってどこでつくっているどんな紙か知っていますか? その答えがこれ。

デザイナーの名久井直子さんが持っているのが「世界一薄い紙」。これは高知県は土佐にある「ひだか和紙」でつくられている「典具帖紙」で、私も実際に触れさせてもらいましたが、なんだか蜘蛛の巣のようなというか、紙とは思えない手触りで、破いてしまうのでは?とおどおどしながら触りました。
でもやはり和紙。想像以上に丈夫で破れることはありませんでした。
これがどんな場面で使われているのか、どうやってつくられているかなどは、ぜひ記事をご覧ください。
他にも記事はいろいろ載せているのですが、実物とじ込みをしているものだけ、ズラーっとご紹介しますね。
まずこれは、竹尾が出している「てまり」のオリンピックカラーバージョンです。本特集のためにオリジナルでつくっていただきました。思ったより少ない量からオーダーできるんですよ。知ってましたか?? ぜひ実物を見て触って、オーダーしたい場合は竹尾さんにご連絡してくださいな。
次は、美濃で和紙づくりをする丸重製紙に、オリジナル透かし入りの和紙をつくっていただきました! 絵柄は人気イラストレーター・福田利之さんの塗り絵ブック『
森の王国』からお借りしました。うーん、かわいい! これはテンションあがります。こちらも最小100kgからつくってもらえるというから驚きです。詳しくはぜひ実物を透かして見ながら、記事をご覧ください。
もうひとつ、オリジナル透かしをいれた紙をつくっていただきました。こちらは越前和紙の里にあるTAKI PAPERの手によるもの。エンドレス柄でなく、こうして位置していして透かしを入れることもできてうっとりです。詳しくはぜひ実物を触りながら記事をご覧ください。
ここまでの綴じ込みは、和紙の大きな特徴のひとつである「比較的小ロットでオリジナル品がつくれる」ということがバッチリわかる内容になっています。
他にも、和紙の印刷加工についてもいろいろご紹介していますが、中にはこんな「耳付き風和紙のような断裁加工ができる+それがタック紙で!」というようなすごい加工もご紹介しています。お酒のラベルなどで見かけるあれだ!
また、和紙はお菓子などの「掛紙」にも多く使われていますが、中でも活版印刷でインキローラーに多色のインキを入れて刷り上げるグラデーションが美しい、そんな実物サンプルを綴じ込んでいます。網点のないグラデーションの豊かさと、和紙との相性の良さをぜひご覧ください。
それ以外にも本誌でご紹介している和紙を30種類、ドドンと実物とじ込みしています! これだけを購入しても2000円超えるんでは……という豪華さ。ぜひ実物を見て触ってにおいを感じて、みなさんのお仕事で使ってもらえればと思います。
もうすぐ書店さんで実物ご覧いただけると思います。どうぞよろしくお願い致します!