とても久しぶりの更新になってしまいました。
こちらのブログでの最新刊のお知らせも、26号を飛ばしてしまい、すみません。
更新をお休みしてしまった26号(紙の大特集号)で、『デザインのひきだし』は創刊以来の最厚記録を更新したのです。ところがその記録は、たった1号で塗り替えられることとなってしまいました。
じゃーん!
一番下が通常の厚みの号、真ん中が26号、一番上の黄色い表紙がまもなく発売の27号。
27号の
束厚は36mm。
どうしてこんなに分厚くなってしまったのでしょうか!?
なぜなら今回、特集に関する綴じ込み付録がドドンと
110枚も入っているからなのです!
2月初旬発売の『デザインのひきだし27』、今回の特集は
『現代・印刷美術大全』。
日本全国の印刷加工会社に「自社で一番得意な印刷加工をしたもの」をつくってもらい、それを一冊にまとめた、実物印刷加工見本帳の決定版です!
明治時代から昭和初期あたりまで、印刷は「印刷美術」とも呼ばれ、その美しさを各社が競い切磋琢磨しあって技術向上がされてきました。そこから脈々と受け継がれ、多種多様な印刷加工がなされている現代。でもその種類が多いからこそ、どこの会社でどんな印刷加工ができるのか、どんな表現なのか、といったことがわかりにくくなっています。
そこで本特集では、日本全国の印刷加工会社の中から編集部が「ここぞ!」と信頼を寄せる約60社の協力を得て、さまざまな印刷加工の実物サンプルを集め、1冊に製本しました。集まったサンプルは、いま日本で行なわれているほぼすべての版式を網羅しています。さらに、各種加工サンプルも収録。
まずは表紙をご覧ください。
これ、なんの印刷加工だかわかりますか?
裏から見ると、こんな感じ。
そう、刺繍です。糸で縫ってあるのです!
本誌に綴じ込んでいるあらゆる印刷加工にかぶらない手法を……と考え、行き着いたのがこの加工。オフセット印刷でベースを刷った上に、絵柄に合わせて全面に本物の刺繍を施しました。裏面もバーコードギリギリまで縫ってあります。なんと1枚の加工時間は約40分! 実物でしか伝わらない可愛さ、ぜひ手にとってお確かめください。記事には、表紙の制作現場レポートも掲載されています。
それから、こちらは特集扉。糊を刷って、上から金属粉を振る「振り金加工」を施しているのです! かつて賞状などにはこの手法がよく使われていました。インキとはまた違ったきらめき感、ぜひ実物でご覧ください。
そして、綴じ込まれている110枚の印刷加工見本の数々は、各社が一番得意な印刷加工をしてもらったものとあって、本当にすごいのです。写真でその一部をご紹介していきたいのですが、なにしろすごいボリュームなので、それはまた次回の更新で。
ちなみに、今回収録している印刷加工はこんな感じです。
↓ 文字だけ見ててもボリューム感を感じていただけるのではないでしょうか。
【収録している印刷加工】
オフセット印刷(コールドフォイルやトリプルトーン印刷、RGB印刷、広色域印刷、10色印刷、デジタルリマスター印刷、金銀インキや特殊ニスを使った印刷ほか)、UVオフセット印刷、コロタイプ印刷、凹版印刷(グラビア印刷、エングレービング)、活版印刷、レタープレス、活版による原色版印刷、スクリーン印刷、デジタル孔版印刷、フレキソ印刷、バーコ印刷、レンチキュラー印刷、チェンジング印刷、フロッキー加工、箔押し加工、フィルム貼合、型抜き加工、粘着加工、各種折り加工、ロー引き加工、合紙加工、超薄紙印刷、和紙印刷 等
それでは、次回の更新をお楽しみに!(ゆ)
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『デザインのひきだし27』
グラフィック社編集部・編 定価:2,000円(税別)
ISBN978-4-7661-2859-8 C3070
B5判 総144頁(オール4色+1ページ・振り金加工)+特集連動付録各種
発売日:2016年2月5日
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