ピカピカな表紙の『
デザインのひきだし19』、今週はかなりの書店さんに並んでいると思いますので、ぜひ目についたら(つきやすいと思いますので……)お手に取ってご覧ください!
今日からは中身を少しずつ、ゆっくりとご紹介していこうと思います。
濃ーーーい墨で刷ってほしいときって、結構ありますよね。私も「女神のスーパーブラックで」とか「東京インキの888(スリーエイト)で」など、通常のプロセスブラックインキより濃い色の墨インキを指定することがよくあります。
今までは濃い墨というと上記のものがよく指定されていたように思いますが、今回あらたに2色・各2タイプの墨インキが登場しました。その名も「サタンブラック」と「デビルブラック」。
このキャッチーな名前の墨インキは、蛍光色(FLASH VIVA DXシリーズ)の鮮やかさでもおなじみのT&K TOKAが製造販売を開始した新製品。「サタンブラック」が標準色タイプの漆黒度の高い墨インキで、「デビルブラック」が青口タイプの色調の漆黒度の高い墨インキだ。

今回の『デザインのひきだし19』では、サタンブラック・デビルブラックの2つの墨インキと、加えて比較しやすいようにプロセスブラックインキ(通常のCMYK印刷に使われる墨インキ)を、同じ紙上で刷り比べた印刷物を綴じ込んでいます。上記写真がその一部。
写真のサンプルは、コート紙に刷ったもので、クマ部分がサタンブラック、地がプロセスブラック、またクマの目の部分はサタンブラックの上にグロスOPニスを、耳や首部分にはマットOPニスも刷っています。このシートの下部にはデビルグラックのクマが刷られているため、実際に印刷するときに役立つチャートになっていると思います(このすばらしいデザインは、大島依提亜さんによるもの!)。
実はこのサタンブラックとデビルブラックは、コート紙用(塗工紙用)とノンコート紙用(非塗工紙用)の2タイプがあり、後者はインキ名の後に「NC(ノンコートの略)」がつく。
それぞれのインキは紙によってかなり効果がことなるため、本誌にはコート紙(グロスタイプ・マットタイプ)や微塗工紙、上質紙、中質紙などに同じインキで刷って、計8枚綴じ込んでいます。
ちなみに、コート紙用を非塗工紙(上質紙)に刷ったものや、ノンコート用をコート紙(マットコート紙)に刷ったもの等、適してないタイプのインキを使った刷りサンプルも入っていて、「タイプの合わないインキをつかったらどうなるの?」というのも一目瞭然です。
もう販売も開始されていて、インキ指定すれば使えるそうですので、ぜひこの「濃い」墨インキ、実物を本誌でご覧ください!