私は(といっても、私が誰だかわからない人も多いですよね……。『デザインのひきだし』を編集している、津田です)無類の本好きです。小学生の頃はマンガ一辺倒でしたが、中学生くらいからいきなり文字の本に嵌り、以来、マンガと本にお小遣いのどれだけ高い割合を費やしてきたか。
社会人になってからは、内容が面白そうなのはもちろん、ブックデザインがいいものも買うようになって、その本屋さんへの貢献度はより一層高くなり、現在に至ります。とほほ。
「ジャケ買い人生に一片の悔いなし」と心の中で思い、カバーはもちろん、表紙や本文組み、製本や素材などじろじろ見回し、触ってにおいをかいで、全体のブックデザインが気に入ったものは、中身に興味がなさそうでも、とりあえず買ってしまいます。そこからある体験をして、ブックデザインのすごさを身にしみて感じたんですが、それは昔つくった『
BOOK DESIGN』というムック本に掲載しましたので、ご興味ある方は立ち読みしてみてください。(今は、1号2号が合本になった『
BOOK DESIGN 復刻版』というものが書店にあると思います)
というわけで、私はブックデザインに並々ならぬ興味を持っているんですが、最近、新しくたちあげられた出版社から出される本が、なんだかすごくすてきなブックデザインのものが多くて、ついつい手にすることが多いのです。
その中のひとつが、ナナロク社。写真集『
未来ちゃん』も祖父江慎さんのブックデザインが効いていて、即買いしました。コデックス装で仕上げられた本は、背標(いや、背丁か!?)でタイトル文字が表されてて、本文の開きもよくて。他にも、近藤聡乃さんのスケッチ原画集『
kiyakiya』もすてきだったなぁ。角丸ですべてペラ丁合された本文ページ。背が寒冷紗でくるまれたままのプロトタイプ感もすごくよかった。(amazonの書影だと何もわからないけど)

今年に入ってからも『
モダンタイムス』(カバーなしの上製本で、タイトルがガッツリ箔押ししてあって、花布の赤がニクい! 本文ページにベタベタにニス刷ってる感じもいいわぁ)『近藤聡乃エッセイ集
不思議というには地味な話』(とにかく、カバーにグラシン紙かけてるのにキュン! 扉前の遊び紙や表紙もうっとり)『
ファミコンの思い出』(装画が絶妙で、クロスステッチ刺繍のイラストもすてき。あと本が軽くて開きがいいのが、この本にぴったり。においも木の香りでうっとり)と、どれも悔しくなるほどのブックデザインの良さ。どれも寄藤文平さんと鈴木千佳子さんのブックデザインです。
うーむ、どれも粒ぞろいですごい。ブックデザインの惹かれて手に取って、読んだら面白かった! っていう人も、多いだろうなぁ。次にまたどんな本に出会えるのか、ナナロク社の新刊が楽しみ!
(ここで紹介した本、一応リンクつけてるんですが、実物見て開いて触って読まないと、本のステキさがわからないのと思うので、リアル書店で見ることをおすすめします!)