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デザインのひきだし・制作日記

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日本唯一の手木版和装本出版社

『デザインのひきだし』創刊号から連載している「本づくりの匠たち」。過去の連載をまとめた単行本『本づくりの匠たち』もありがたいことに、ご好評いただき、順調に版を重ねております。

そんな「本づくりの匠たち」ですが、『デザインのひきだし14』では、 日本唯一の手木版和装本出版社である、京都の「芸艸堂(うんそうどう)」へ伺いました。
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いやぁ、もう「すごい!」のひとことです。昔から連綿と受け継がれてきた、数多くの「版木」。それが倉庫に山と積まれ、芸艸堂の方々でさえも「まだどんなものがあるのかわからない部分がある」というくらいの膨大さ。

刷りもの自体も、他の印刷物とはまったく違う刷り上がりで、私は特にその色の美しさに目を奪われました。今回は芸艸堂さんはもちろん、木版の彫り師さん、摺り師さんのところへも伺わせていただき、その仕事ぶり、手先の動きに釘付けでした。

詳しくは本編をご覧いただくとして、こぼれ話をひとつ。本を出版することを「上梓する」といいますよね。これ、実は木版から来ている言葉だそうです。

現在、木版に使われる木材は「さくら」などですが(それも少なくなって、表面がさくらの合板なども多いようですが)、昔は「梓(あずさ)」の木を使ったそう。そこから、梓の木を使って版木を彫り、出版することを「上梓する」というようになったそうです。ほーっ! なるほど。
by design_hikidashi | 2011-10-21 12:17 | ただいま制作中!
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