『デザインのひきだし14』が先々週くらいから書店に並んでいます。
amazonでも現在は品切れになっておらず、すぐお買い求めいただけるようで、ちょっとホッとしています。
本書内容について、まだあまりご紹介していなかったので、今日から少しずつご紹介していきたいと思います。
初日の今日は、巻頭特集
「表面加工 A to Z」です。印刷した後に、汚れ防止や強度アップなどの機能的な目的のためや、ツルツル・マット・ホログラムになどといった華飾目的のため、その両方の役割を担っているのが「表面加工」です。
「表面加工」と一口に言ってもよくわからないかもしれませんが、「ニス引き」「PP貼り」などと言われるとピンとくるのでは。こう聞くと「そんなに特集になるほど、種類とか特徴とかあるの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません(本特集のリサーチ段階で、表面加工業者さんからも何度もそう言われました)。いやいやいやいや、特集になるどころではなく、実際には紙幅の限界で、泣く泣く落としたネタがいくつも……。
そんな厳選した表面加工のさまざまなな技術を
「塗る」「写す」「貼る」という3つに分けてご紹介しています。「OPニス」といっても、そこには様々な種類があり、ほかにも各種ニスを合わせるととんでもない数に……。そんな中で一番透明なニスってなんだろう? そんな素朴な疑問にも応える内容になっています。
詳しくは本書をご覧いただければと思いますが、特集関連綴じ込み付録のことをチラリとご紹介したいと思います。今回は各種表面加工を駆使したオリジナルデザインサンプルが13種。そしてニスやUVラミコート、各種PPを、同じ絵柄を印刷した上に施して、それぞれを見比べることができる表面加工サンプルが18種(+未加工印刷サンプルが1枚)綴じ込まれています。
オリジナルデザインサンプルとしては、まず
「メタリックOPニス」。

写真で見ても全然わかりませんね……。これは通常、グロスかマットの透明ニスしか見たことがないOPニスに、金、銀、銅、シャンパンの4種類のメタリック調ニスが登場。それを墨で刷ったビジュアルの上に重ねて刷っています。半隠蔽しますので、地色が見えつつ各メタリック調になるという、不思議なニスです。
こちらは
「パール調の水性コーターニス」。

オフセット印刷機についた「フレキソコーター」と呼ばれるニスユニットを使って刷るニスで、こちらは熱で固めるタイプ。(ほかにUV照射して固めるタイプもある)通常のOPニスより盛り量も多くできるため、浮世絵の雲母刷りのような、すてきな輝きです。UVタイプも同じ絵柄(セキユリヲさんデザインです!)で刷り比べて綴じ込んでいますので、併せてご覧ください。
UVラミコートの進化版もご紹介しています。それがこの
「ニンジャコート」。

一見、ホログラム転写されたUVラミコートに見えますが……

! テープを貼って剥がすと、下から別のホログラムが!! このホログラムはほかの模様でももちろんできますよ。いやぁ、すごいですねー。
最後にラミネートからひとつご紹介します。よく「マットPP」貼りをすることがあると思いますが、黒など濃色の上にかけると、ツメで引っ掻いた跡などがすぐについてしまい、目立ちますよね。

(赤く丸した部分。ツメで引っ掻いた跡がすぐについてしまった)
でも、今回綴じ込んでいる
「スカッフフリーマット」というマットPPフィルムを使うと、ぜんぜん傷がつかない!

これはホントにすごい!!! 嘘みたいですが、いくらこすっても大丈夫なので、ぜひ綴じ込みサンプルで実験してみてください。
これ以外にも多数綴じ込んでいますので、写真で見てもわからないこれらのすばらしき表面加工、ぜひ現物でご堪能くださいませ。