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デザインのひきだし・制作日記

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震災による影響

今回の震災で、紙や印刷業界にも、いろいろな影響がでています。ここではWebに掲載されたものや、編集部が見聞きしたものを、少しずつまとめたいと思います。

【紙関連】

●王子製紙
日光クラフトボールなどの板紙をつくっている王子板紙日光工場が、設備被害により操業停止していたものの現在は、通常通りの操業を開始。その他の板紙工場は震災の影響はない模様。ダンボール関係は、王子チヨダコンテナー仙台工場が現時点でも操業停止中で、復旧の目処は立っておらず。震災直後は操業停止していた王子チヨダコンテナー福島工場、森紙業グループ仙台森紙業、森紙業グループ常陸森紙業は、現在は通常通りの操業を開始している。
王子製紙の発表

王子製紙は、主力工場が北海道や静岡、愛知県、鳥取県などで、今回の震災の地域には、生産拠点があまりなかったため、被害も比較的大きくないようです。ただ、王子特殊紙は主力工場が東京電力の管轄内のため、計画停電の影響があるかもしれません。


●日本製紙
日本製紙の全8工場のうち、石巻工場、岩沼工場、勿来工場が地震と津波の影響で現在でも操業停止中。日本製紙グループ本社の芳賀義雄社長の石巻視察の記事はこちら。--「同工場と岩沼市の岩沼工場は国内の印刷用紙の1割を生産する主力工場で必ず再建する」
日本大昭和板紙 秋田工場も、震災直後は操業停止していたが、18日から停止していた一部設備を稼働して操業を再開している。
グループ会社の北上製紙も震災直後は操業停止していたが、24日から順次抄紙機を稼動を再開し始めた。
日本製紙の発表(PDF)

日本製紙は被災した地域に工場があり、まだ復旧の見通しが立っていない工場も多いようです。ですが、上記のニュースでも最新の抄造機「N6マシン」事態が無事だったとのことで、少しホッとしました。(アジア最大級の最新抄造機・N6マシンの導入プロジェクトについてはこちらを)

そんな甚大な影響がでている日本製紙ですが、そんな中でも被災地支援をされている。すばらしい。一日も早い復旧を心よりお祈りし、応援します!

●大王製紙
大王製紙は、28日までに、今回の震災で操業停止していた大王製紙グループの紙・板紙、家庭用品の全生産設備の操業を再開。関連会社のる「いわき大王製紙株式会社」(福島県いわき市:新聞用紙、段ボール原紙の生産工場)は、原子力発電所の放射性物質の漏出問題を踏まえて操業再開を延期していたものの、3月24日(木)に新聞用紙抄紙機、25日(金)に段ボール原紙抄紙機の操業を再開している。
大王製紙の発表(PDF)

●三菱製紙
国内5拠点の工場のうち、八戸工場(塗工印刷用紙、非塗工印刷用紙、 高級白板紙、特殊白板紙、PPC用紙)の操業が停止している。津波の影響を受けて、1階部分が浸水し、電気系統の被害が大きいとのこと。
現在の見通しとしては、4月下旬頃からパワープラントの順次、操業再開(電力不足解消に寄与するため、パワープラントを早期に立ち上げ、一部電力を東北電力に供給すべく、現在、関係省庁、青森県、東北電力と協議中とのこと)、5月中旬頃から抄紙機・塗抹機の順次、操業再開(7台の抄紙機、3台の塗抹機を順次立ち上げ操業を再開する)予定だ。
三菱製紙の発表(PDF)

●中越パルプ工業
中越パルプは主力工場も含め、今回の被災地に工場はないため、特に操業停止などもなかった。


このように、地震や津波の影響で、抄造機などが停止しているところがあり、希望の印刷銘柄が使えないという事態も起こっている(弊社でも、来月新刊は本文用紙の銘柄を変更したもの多々あり)。

また東京電力の地域内にある製紙工場では、計画停電の影響で、機械をとめなくてなはらなくなっており(パッと電源を入れてパッと紙がつくれる、というものではないので、停電があると言われた何時間か前から抄造機をとめ、停電後、機械の立ち上げにも時間がかかる。そのため、生産性がかなり落ちてしまう)、その影響で紙の不足が起こっているということもある。

紙の不足は、製紙会社の抄造マシン停止なども大きな要因ではあるが、震災前までにつくられた在庫の紙も、地震や津波の影響で使用不可能になってしまった製品がかなりあり、その影響も大きい。
また物流でも、物流手段の問題、燃料の問題、工場内引き込み線の貨物が復旧するかなど、さまざまな問題が出ている。

野村証券による紙パルプ業界の解説では、「印刷用紙や新聞用紙の供給に不足感。」と。



【インキ関連】
インキは個別のインキメーカーの被害も、また顔料などの原料不足もあるが、インキの主成分であるロジン変性フェノール樹脂(いわゆる松ヤニ)をつくっている、国内唯一の会社「ハリマ化成」の工場が被災し、再開の見通しが不明だったことから、「インキがなくなる」という話が持ち上がっている。ただし、今日付けの同社の発表では、、仙台工場(宮城県岩沼市)では、電気、水の供給ラインが復旧。ボイラー稼働再開し、早期の操業再開に向け、各種設備の点検を進めているとのこと。早期復旧することをお祈りします。
ハリマ化成の発表(PDF)

28日(月)の時点でまとめられた、印刷タイムスによるインキ関連の情報がこちらに。

これからも随時情報をまとめていきたいと思います。
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by design_hikidashi | 2011-03-30 18:34 | その他

『信頼を得たい! インパクトをだしたい! 日本の名刺デザインコレクション』

3月上旬に発売した新刊、『信頼を得たい! インパクトをだしたい! 日本の名刺デザインコレクション』をご紹介させていただきます。ミニチュア模型たちが名刺をつくっている写真がカバーの目印です(このカバーの話は後日またじっくりと書きますので、楽しみにおまちください)。ぜひ書店でご覧下さいませ。

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『信頼を得たい! インパクトをだしたい! 日本の名刺デザインコレクション』
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信頼感ある「ビジネス系」名刺からフォーマルでありつつデザイン性の高い「ショップ・ブランド系」名刺、インパクトある「クリエイティブ系」名刺まで297社、443種類の名刺を一挙掲載。「日本の名刺」のデザインアイデアが満載です。

デザイナーは名刺デザインを頼まれる機会が多くあります。そんなときデザインアイデアの元になるのは、やはり優れた名刺をたくさん眺めること。そこで本書では、3つのカテゴリに分けて、一般企業がビジネスで使う名刺から、インパクトがあるスタイリッシュなデザイン名刺まで、優れたデザインの名刺を、デザインのポイント解説や、使用している紙や印刷加工などと共に掲載しています。

グラフィック社 編集部編 定価:2,800円(税別) ISBN978-4-7661-2221-3
B5判 総216頁(オールカラー) 装丁:名久井直子

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by design_hikidashi | 2011-03-30 17:17 | イベント・展覧会・新製品情報

みなさま、お元気でしょうか。

この度の大地震、信じがたいような大災害が起こりました。みなさま、ご無事でしょうか。一人でも多くの方がお元気でいらっしゃることを心よりお祈りいたします。

弊社は本棚が倒れたり、倉庫の本が崩れたりはしたものの、幸いにも人的被害はなく、地震直後からできるだけ通常通りに本づくりを続けております。私自身も幸い自宅や家族、友人の被害もほとんどなく、地震当日は電車が動かなかったため、3時間半ほどかけて歩いて帰りましたが、その後は電車もなんとか動き、元気に毎日出社しています。

それ以降、いつも通りにブログを書いていいものか、紙やインキの状況はどうなっているのか。新製品やイベントなどのお知らせをしていいものかなど、いろいろ考えました。ですが、いつまでも落ち込んだり自粛ムードでいることは決していいことではないと思い、今日からまた、紙や印刷に関すること等、このブログで書いていこうと思います。

今後ともどうぞよろしくお願い致します。
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by design_hikidashi | 2011-03-30 17:00 | イベント・展覧会・新製品情報

特種東海製紙・紙のショールーム「Pam東京」に行ってきた。

今日の午後は、先月オープンしたばかりの「Pam東京(パムとうきょう)」に行ってきました。これは、多くのファンシーペーパーなどをつくっている製紙会社「特種東海製紙」が行なっているもので、場所も東京駅の八重洲口からすぐのところにある、特種東海製紙の本社内にあります。八重洲ブックセンターの近くというとわかりやすいでしょうか。

1Fがみずほ銀行が入っているビル(常和八重洲ビル)の6Fにあがり、エレベーターを降りると、おっ、何やらカラフルなスペースが目に入ります。吸い込まれるように近寄ってみると、そこがPam東京

入り口には、木でつくられた抄紙機の模型が! ほ、ほしい。

中に入ると、正面の壁一面に、特種東海製紙がつくっているファンシーペーパーが、短冊状に切って貼られています。
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実はこれ、引き出しになっていて、自由に引き出して、中に入っているA4サイズの紙見本をもらうことができるんです! す、すごーい!!
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それも100kg前後(四六判換算で)の紙厚のサンプルが入っています。銘柄名や色名が引き出しには書かれていないのでわからない……という方は、このスペースに入ってすぐの右側に、どこの棚にどんな銘柄の紙が入っているか、という表が印刷されたシートがあるので、これをもらうのが吉。これと照らし合わせて、紙の銘柄名を特定しよう。
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ここの引き出しにない銘柄も、バックヤードにはあるそうなので、欲しいサンプルがない場合は、お願いして出してもらうこともできるとのこと。特種東海製紙のオフィスが隣接しているので、こんなお願いも聞いてもらえるし、紙についてわからないことも教えてもらえて、これもすばらしいですね。

ファンしペーパーのカットサンプルがもらえるのも、飛び上がるほどすばらしいのですが、それ以外に私が気になった(気に入った!)のが、中央台に置かれていた、特種東海製紙やそのグループ会社でつくられている紙や紙製品。

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こんな養生シートとかクラフト紙の加工紙なんかが見られたり、

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「デザインのひきだし9」でもご紹介した「耐油紙」も置いてあったり、

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樹脂と一体成型することで、メラミン食器に絵柄をつける「オーバレイ用紙」など、普段、原紙の状態であまり目にすることのない機能紙なんかを見ることができるのも、ステキ。

3月中に企画展も始まるとのこと。紙好きの人は、ぜひ一度足を運んでみるべき!と強く思ったショールムでした。

特種東海製紙 Pam東京
開館時間:月-金曜日10:00-18:00(土日祝日休)
問い合わせ:ファンシー営業開発部 Tel.03-3273-8510 Fax.03-3273-8513
所在地:東京都中央区八重洲2-4-1常和八重洲ビル6階
アクセス:JR東京駅八重洲南口下車、徒歩2分
     東京メトロ銀座線京橋駅明治屋口下車、徒歩3分
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by design_hikidashi | 2011-03-01 18:24 | 見学記