『デザインのひきだし10』の活版特集内で、本文すべて活字を使った活版印刷する、というトライアルをご紹介しました。実際にすべて組んで印刷し、製本までしていただきました。タイトルは『本当は記号になってしまいたい』(著者/斉藤倫)
本文はハーフエアというふわふわな紙に、9ポイントと12ポイントの岩田明朝活字を使用して印刷。またグラデーション印刷(こちらも活版)された扉と別丁3枚が綴じ込まれています。
上製本で、表紙は美しい草色のサテンを使ったクロス装。そこに、100%ORANGEさんの装画が空押しされています。これだけでもうっとりなのですが、更に大和板紙の黒い板紙の裏面を表に使用したスリーブが付きます。ここに初号活字で組んだ文字を白でタイトル印刷。
活字で印刷された本文は、読みやすく、そして文字に力を与えてくれているように感じます。ステキなブックデザインと相俟って、本当にすばらしい本に仕上がりました。
この本が、ただいま、青山ブックセンター本店にて売られています。税込みなんと1800円! こんな価格でいいのかっていう安さだと思います。ご興味のある方は、ぜひお手に取ってごらんください。(青山ブックセンターが遠くて買えない、という方は、hikidashi@graphicsha.co.jpまでお問い合わせください)